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ファニーキンキー
第10章 それは同日
放課後、翔太郎の家までの道中にある、小さなケーキ屋の前で立ち止まった。
「今日さ、俺の誕生日だから一緒にお祝いしてくれる?」
「…っ!そうなんだ。じゃあ、ケーキはあたしからのお祝いってことで…」
初めて知った、翔太郎の誕生日が今日だったなんて。
しかも自分から言うなんてさ…素直で可愛い、こういう翔太郎が大好き。
店内に入りショーケースを覗く。
「ホールだと、生クリームとチョコとフルーツのタルトだね。どれがいい?」
「俺、タルト好きなんだ」
また一つ新しいことを知った。翔太郎の好きなもの、タルト。
店主にバースデー用だと伝え、1と7のロウソクを買った。ホワイトチョコレートのプレートも付けてもらい、メッセージには“誕生日おめでとう”と。
湯沸かしポットやマグカップを抱えた翔太郎が部屋に戻ってくると、ケーキを広げロウソクを飾り付けしていたあたしに、
「Happy Birthdayってプリントされてるのに誕生日おめでとうっておかしくないか?」
プレートのメッセージについて疑問を投げかける。
「そう…か、17歳おめでとうにすれば良かった…」
「普通に名前だけで良かったんじゃないの?」
「あ、うん…ライター貸して……。お茶はあたしが入れるから、こっちに座って」