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ファニーキンキー
第10章 それは同日


椎ちゃんの描いたイラストを胡坐の上に置くと、両手で顔を隠した。

「やべー、恥ずかしぃ」

「あはは、照れちゃうよね」

「俺、こんなに顔赤かった?」

「うん。今も相当赤いよ?」

両手を頬にあて、

「これじゃー寧奈にベタ惚れだってバレちゃうじゃん」

だって。…それ、心の声じゃないんですかー?!

「ねぇ、これ翔太郎の部屋に飾っといていい?」

「えっ?こんなに恥ずかしい自分を毎日見るなんて拷問…」

「だってさ、あたしの部屋に飾るとあたしひとりしか見ないでしょ?翔太郎と一緒に見たいもん」

フレームを掲げ難しい顔で眺めている。

「よし!見慣れたっ。俺はともかく寧奈の可愛い姿を毎日見れるのはいいな」

可愛いだって?!それは椎ちゃんが3割増にしてくれたからですよ?今日は誕生日だからご機嫌で、上手いことばっか言っちゃって。

「ここに飾るのは?」

本当は嬉しかったんだけど聞かなかったことにして、アイアン製のチェストの側面にフレームをあてて見せた。とは言っても翔太郎が座っているところから死角になっていて見えない。

「部屋に入った瞬間、ババーンって見えちゃったらあたしも恥ずかしいし…」

「そだな。いいよ」

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