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ファニーキンキー
第11章 それは解放


「はぁー…助かった…」

人が本気で苦しんでいたというのに、まわりは可笑しそうに笑う……いや、翔太郎だけは机の上に転がったアルミホイルの残骸を険しい顔で見つめていた。

「俺の芋……」

「もう、食べちゃった」

「あ、そう。そんなに食って…知らないぞ?」

不機嫌そうに自分の席へと戻って行く。
食べないって言ったのは、どこのどいつだっ?!



ええ。ええ。みんながお昼に要らないって言っていた意味がわかりましたよっ……

5時限目の授業が始まって20分程経過したあたりから、おなかに異変が…

これは…やばい……

高校生活始まって以来の大ピンチ!このままでは大惨事になるかもしれない…

この波がおさまったらトイレに行こう。行くべきだ、行かねばならないっ!

脂汗が出てきた、もう限界はそこまで来ている。鎮まりたまえぇー!

「先…生、トイレに行ってまいる」

手を挙げて、息も絶え絶えに訴えた。

「…!顔が真っ青だぞ!早く行ってこい」

心配顔の先生に対し、挙げたままの手を握り親指を立てた。

カバンを抱きかかえ教室を出る。これは帰り支度ではない…だって、おなかに何か当てていないと動けないのよぉ…

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