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ファニーキンキー
第11章 それは解放
この勘違い女っ、ほんと騒々しいなぁ。生きる喜びを噛み締めたばかりなのに、飛び降りるわけないじゃん…
「違いますよ、そそっかしい人ですね。センパイ」
「え?」
「音楽聴いてただけです」
「そ、そうなんだ。ハハハ…なら良かった」
ホッとしたのかうっすら涙が滲んでる。
「センパイっていい人なんですね」
本心と嫌味を混ぜた言葉を投げつけ、スカートの埃を払いながら立ち上がった。
せっかくいい気分だったのに、台無し…教室に戻ろうと、階段室の屋根から降りた。
「ちょっとー!どうやって降りるの?」
屋根の上から不安そうな顔が覗く。
「はい?…どうやって登ったんですか?」
「そこのドアノブに足をかけて、ドアをよじ登ったのよっ」
「はぁ…また、そんな無茶を…そっちに梯子がありますよ」
下に降りるまで見守るつもりで、梯子の所に移動する。この梯子は壁に取り付けられた仕様で、上半分の長さしかない。
先輩、下りられるかなぁ?あたしが下りられたんだから大丈夫か…
腹ばいになった先輩が恐るおそる、梯子に足を掛けて降り始める。