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ファニーキンキー
第11章 それは解放
人様の事うらやましがる必要ないよね。
もしも、翔太郎が椎ちゃんの彼みたいに溺愛してくれるタイプだったら…あたしは息苦しくなると思う。束縛されたくない、だから束縛はしない。ふたりの距離感は非常にいいと思いまーす!
それにですよ、あたしのヘンタイ癖を受け入れてくれた優しい彼氏だもん。あたしが長年欲しかったものを偶然とはいえ誕生日に与えてくれた人だもん。パーフェクトです!
よっし、帰りにスーパーに寄ってお弁当のおかずでも考えよっかな。
あたしにしては珍しく、ウキウキとした足取りと恋する女のニヤケ顔。
「寧奈ちゃん」
その至福タイムに水をさす奴が現れた!もう、声だけで誰だかわかる…背後から呼び掛けてきたのは、先輩だった。何故あたしの名前を知っている?!
地面にめり込むくらいのがっかり感で肩を落とし、振り返った。
「はい?あたしの名前をご存知で…?」
「翔太郎くんが呼んでたから…私も呼んでいいでしょ?」
「いいですけど……呼ばれる機会も無いと思うんで」
「ねぇ、駅まで一緒にいい?」
えーっ!気まずくないですか?!あなたにとってあたしは恋敵じゃないの?!それにあの事も……
この間の事は、翔太郎絡みで先輩に暴力振るわれて、その流れから自分の体の欠陥に対しての悔しい思いが込み上げて爆発しちゃったんだけど、やっぱり、やり過ぎだったよね。後ろめたさから断れない。
「いいですよ」