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ファニーキンキー
第11章 それは解放
あの時の事は、お互い頭に血が上っていた状態で、ただのケンカみたいなもん。悪いことをしたつもりはない。だけど、先輩は気に病んでるかもしれない…一応謝罪は入れとくか。
「あなたに話があるの」
来たよ。あの時の話ですよね?
「はい」
ほんのちょっとだけ、気を引き締めた。
「今ね、二人の人に言い寄られてるんだけど、すっごく迷ってて…寧奈ちゃんだったらどっちを選ぶかなぁって、聞きたいのよ」
へ?あの事じゃないの?先輩の周りは目まぐるしく変化してるんだね。いつまでもあの事に囚われてないんですね。ちょっとホッとした。
さすが美しい先輩はおモテになるようで…あたしに恋愛相談と来ましたか。
「好きな人を選べばいいんじゃないですか?」
先輩の気持ちはどーなのよ?当たり前の言葉を返す。
「やっぱり、そこよねぇ……」
そう言ったきり黙り込んでしまった。
なるほど、どちらも好きじゃないんだ…
「お二方はどんな人なんで…」
「寧奈ちゃん!」
「うぉっ?!」
あたしの言葉を最後まで聞かずに、がっしりと腕を掴んできた。驚いたあたしは足を止め、隣に並ぶ先輩を見やる。
「私…あれ以来あなたのことが頭から離れなくて」
「え?」
「好きなの!寧奈ちゃん。私の気持ちどうにかして!」
「いや、それはちょっと……あたし彼氏いますから」
「わかってる。だったら、彼女にしてくれてもいいじゃない!」