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ファニーキンキー
第12章 それは野外
「でも、おなかいっぱいでしょ?ぐるっと走って来たら?クスっ」
「そーするか!」
勢い良く飛び出して行った。
アレは犬か?…
苛めたはずなのに。従順な態度をとる翔太郎に肩透かしを食らったあたしは苦笑いをした…
リュックの中身を並べ、水筒に用意した温かい紅茶をコップに注ぐ…一息つくとおなかがグーグー騒ぎだす。
先に食べちゃお。
耐え切れずにサンドイッチに手をつけた。
「ただいま…はぁはぁ…」
半分ほど食べ終わった時、息をきらしながら戻ってきた翔太郎が腰を折り曲げ、どっちを選ぶ?と言う様にミネラルウォーターとミルクティーを差し出す。
紅茶があるからどっちでも良かったが走った後にミルク系はきついんじゃないかと、ミルクティーを受け取った。
「ちょっと休憩…はぁーっ」
手に残されたミネラルウォーターをひと口飲んで、荒い呼吸のまま寝転がる。
「全力疾走してきたの?アハハっ」
「走ってるのなんて俺だけで…恥ずかしかった…」
「だろうね…恵衣子たちに会った?」
「ハハっ、周りなんて見る余裕なかったよ…さてと、食べよっかな」