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ファニーキンキー
第12章 それは野外


翔太郎の寝顔を見ていると、どこからか緑色のカメムシが飛んで来て、翔太郎の髪にとまった。

うぎゃっー!虫ぃぃい!でも攻撃してこない虫だから大丈夫。

指で弾こうかと思ったけど、ひょっとしてこれ臭い虫…?ペットボトルで捕まえるんだっけ?ペットボトルどこ~?!

あんな遠くに転がってる…膝の上で寝られちゃってるから、身動きがとれない。このまま刺激せずに飛んで行ってくれるのを待つしかないか?

しかしこのイケメン…カメムシすら似合うな…

髪の上を移動するカメムシを見ていたら、ふとヘンタイ妄想が降りてきた。

「翔太郎、翔太郎」

「ん?」

「あごに指を当てて“うーんマンダム”って言って」

先日、テレビで懐かしのCM特集を放送していた。男性化粧品のこの決まり文句が流行語だったらしい。

「ん?なぁに?」

眠りを妨げられ、意識がぼんやりしたままの翔太郎は言われた通りに…

「うーん、マンダム」

おぬしー、知ってるのぅ!しかも、渋い声でっ!

「ふぇ…」

カメムシを前髪にくっ付けて、何がマンダムじゃー!

いや…あたしがやらせたんだけどね…

「ふぇ…髪にカメ…ムシ…付いてる」

「え?!どこどこ?虫?!」

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