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ファニーキンキー
第13章 それは結実
先輩の存在に翔太郎は一瞬、怪訝な顔をしたけど、何も言わない。あたしも何も言わない。そして、先輩も何も言わない。
シュールです。
先輩に告ってきたお二方のどちらかをあたしが見極めるんですよね。分かってますって、呼びに来たんでしょ?
「全部食べちゃうのか?」
残り少なくなったパンを気にして、あたしに寄りかかって来ると、頭を寄せ淋しそうな声をだす。
「うん」
しょうがないじゃん。今日は無理だよ。最後のひと口を翔太郎の口元でちらつかせたら、やけくそ気味にパクリと食いついた。
「へー、なんか意外だねぇ~」
ずっと黙ったままだった先輩が突然口を開いた。
「翔太郎くんってもっとクールなのかと思ってたのよねぇ。しかも、髪切ってイケメン度増してない?」
「クールですよ?」
あたしは内心焦った。イケメンなのは置いといて、余計なことを吹き込まないでもらいたい。翔太郎はクールキャラなんですから!
「そうじゃなくてぇ、元カノ達に聞いた話だとぉ、全然連絡くれないし、バイトと友達優先ばっかりで、することと言えばエッチだけ。好きって気持ちが感じられなくて、翔太郎くんの彼女だって実感がないって」
「だいたい合ってますね。でも、翔太郎はちゃんとあたしのこと見てくれてるよ?元カノ達が翔太郎のこと見てなかったんじゃないの?」
隣に本人が居るっていうのに、言いたいこと言っちゃう女二人。翔太郎は黙々とおにぎりを食べている。