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ファニーキンキー
第13章 それは結実
「私…付き合ってなかったんだ…やっと気持ちを受け入れてくれたって思ったのに。最初っから体だけだったんだ…」
さっきは般若の様に顔を歪めていたのに、今にも泣き出しそうにしょぼくれている。
勝気を気取った姿より、こっちの方が本当の姿なんだろう。ピュアなんだよね~。
だいたいさー“諦めるから1回抱いて”って迫ったんでしょ?それなのに、どーして付き合ってることになるの?自己都合な脳内変換はやめてもらいたい。
そこまでする程好きだったってことは分かるけど、もうちょっと上手く立ち回らないと。
「センパイ、いつまで引きずってるんですか?新しい恋は目の前ですよ?」
「そうかなぁ…」
「乗り気じゃないんですね」
「えっとねぇ、どっちも普通に好きって感じで、恋愛って気がしないのよねぇ」
「ふーん。いったいどの人ですか?教えてください」
告ってきた相手の各教室へと案内され、廊下から遠目に確認する。
一人は有名なヤンキー先輩。短髪で眉毛を細く整えて、目つきが鋭くいかにもって感じ。体も大きく、他校の生徒と喧嘩もするそうだ。いつも違う女を連れている。
悪そうな男ってモテるんだよね。
もう一人は知ってるよ!生徒会長じゃん。成績優秀、剣道部の主将、フェミニストで生徒からの信頼も厚い。そこそこイケメンで、副会長と付き合ってると噂があった。
「会長って副会長と付き合ってるんじゃないんですか?」
「違うよぉ。副会長の子は大学生の彼氏がいるのよ」
そうだったんだ…噂って事実とは違うんだ。