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ファニーキンキー
第13章 それは結実


お二方の正体が判明したところで昼休みが終わった。また明日の昼休みに落ち合う約束を交わしてあたしは教室へと戻って来た。

机の上に教科書を準備して、すでに着席している翔太郎のそばに駆け寄る。
言い訳して、謝るつもりで…

それなのに、あたしの顔を見た翔太郎は、まだ何も言ってないのに“別に”とだけ言って視線を逸らす。

タイミング悪く教室に入ってきた先生の声を合図に、翔太郎の頭にポンと手を乗せただけで自分の席へと戻った。

“別に”の後は何て続くんだろう。別に怒ってないよって笑顔じゃなかったし、別にいいよって言葉とは裏腹に拗ねてたのかなぁ。“別に”って言葉は裏がありすぎて厄介だ。

もしかしたら、あの後体育館脇での行為を期待してたからとか?そうかもしれない、きっとそれだ。

放課後になると、バイトへ行く翔太郎を廊下で送り出す。

「なんで、あの人と親しくしてるんだ?」

「いやぁ~、ほら色々あったじゃん、それからまぁ色々あって…でね、まぁ相談を受けてるっていうか。で、明日の昼休みも先輩のところに行くって約束しちゃって…」

「あっそう、分かった。もうバイト行くから」

のらりくらりと答えるあたしに、あっさりと了承してくれた。

先輩とは親しくしてるつもりなんかなくて、行き掛り上そうなってしまったわけで…その過程にあった出来事は話せっこない。

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