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ファニーキンキー
第3章 それは悪戯


中庭に来た途端、すごく視線が痛い…

「今度はあの子?」
「なにあれー?ふつうじゃん?」
「ぜんぜん、お似合いじゃないね」
「3日で捨てられるでしょ?」

さっきから、入れ替わり立ち替わり、見物人が来て好き放題言ってくれる。
人生で一番注目された日って自分史に刻み込んでやろーか。

翔太郎…こいつ、モテ過ぎなんだよ…
もうね、さっきカレーを塗られるんじゃないかってビビってたことバラしてやりたい…


その見物人の中に、ひときわ睨みを利かせてくる人がいる。ずーっとこっちを見てる。上級生だと思う、化粧をしているようで大人っぽい、綺麗な人だ。大人っぽいのに、やることは中学生みたい…

………くだらない………

そう思った瞬間、周りの雑音が気にならなくなった。



カレーパンを食べながら色々話をした。
放課後はCDショップでバイトしてること。
来年18歳になったらすぐ車の免許を取ること。
社会人のお兄さんがいること。

翔太郎はプライベートなことを話してくれた。クールだと評判なわりによくしゃべる。

あたしの話題はというと…

「ねぇねぇ、あたしってヘンタイかな?」

いきなり直球を投げる。

「そう思うけど?」

「けど?」

「んー。まぁ、あんくらいなら、いいんじゃないか?」

まじか…もうちょっとレベルアップは危険かな?

「いひひひひー」

いたずらっ子みたいに笑ったら、翔太郎は長い前髪の奥の目を細めて笑い返してくれた。

その笑顔に胸がきゅうってなったよ………

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