この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ファニーキンキー
第13章 それは結実
「どして?お昼ひとりになっちゃう?」
「行って欲しくない」
「たぶん、今日までだから」
「それでも…行くな」
今日行ったら災いでも起きるっていうの?引き留められたって、あたしの用事なんだから行くけど?!
“行くな”しか言わない翔太郎に負けない力で腕を振りほどいた。
翔太郎は不意を突かれたかのように“あっ”とマヌケた声を出した後、表情を固く一変させた。
「行ったら……別れる」
あたしの目を見据え、教室内の翔太郎の席で、他の子たちに聞こえないように、低い声で静かに告げられた。
予想外な言葉に、あたしの顔は歪み、目には一瞬にして涙の幕が覆われていく。
なんでこんな些細なことで…先輩のことで、別れなきゃいけないの?昼休みに一緒に居られないってことがそんなに重要?別れを切り出される程いけないことしてるっていうの?
あたしは悪くない、束縛しないで欲しい。
キッと表情をきつくする。
「いいよ、翔太郎がそうしたいなら。約束があるから行くけど。信用ないんだ?」