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ファニーキンキー
第13章 それは結実
くだらない…こんなにくだらないことで簡単に終わりが来るなんて。先輩に断りを入れて翔太郎と一緒に居れば気が済むの?あたしが意地を張りすぎてるんだろうか…
「ごめん。今の本心じゃないから、聞かなかったことにしてくれ。信用してるよ、行ってもいい。ごめん、間違いだった」
今度は翔太郎が情けない顔をする。
席に座っていた翔太郎は溜め息を吐き出すと絶望するように、机に肘を付いて顔を覆った。
お互い気持ちをぶつけ合っているのに、うまく通じ合えない。そんな、もどかしさを感じる。
翔太郎の頭を抱きかかえ、耳を自分の胸にあてた。教室の他の子たちの目を気にして、静かに小声で話し始める。
「分かる?すっごいドキドキしてるの。翔太郎と別れたくないんだけど?先輩の恋愛相談は今日でケリがつくと思うから、今日は行かせて」
「恋愛相談?」
「うん。二人の男に告られてどっちか迷ってるんだって」
「はぁー…なら初めっからそう言ってくれよ。不安なんだ…元はといえば俺のせいで寧奈がとばっちり食っただろ?あの人まだおかしなこと言ってたよな?無理やり呼び出されてるんじゃないかって考えたり、寧奈が酷いこと言われてないかって落ち付かなかったんだよ。俺に出来ることはない?俺は彼氏じゃないのかよ。言ってくれよ」
「えっ?…心配してくれてたの?心配だから…引き留めたの?」
教室内でいつまでも抱きしめたままではいられない…ゆっくりと腕を解く。