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ファニーキンキー
第13章 それは結実
うううっ、ひと足遅かった…生徒の姿が捌けた購買のラインナップは見事に甘系ばかり。焼きそばパンが好きな翔太郎は泣いちゃうかも。
普通のクリームパンと放課後用の生クリームパンも一応…を買って足早に生徒会室へと向かう。
翔太郎が束縛と嫉妬か…度が過ぎるものではないけど、邪な思いから、本心ではない“別れる”の言葉が飛び出してきた。
それってあたしを繋ぎとめたくてした、いわゆる“試し行動”なんじゃないの?
あたしの愛情が足りないって感じてるのかな?今の状態でラブラブだと思ったんだけどなぁー。好きって気持ちはしょっちゅう伝えてる。あっ、でも椎ちゃんカップルに比べたら少ないな。
あまり自分で言いたくはないけど、すぐに受け入れてあげられない面倒くさい体だからかな?キスすらままならないもんね。それが大きいような気がする……
生徒会室に辿り着いたが、先輩の姿はない。もう部屋に入っちゃったのかな…
コンコンとノックをし、生徒会室のドアに手をかける。こんなトコ初めてだよー。
「失礼しまーす」
先輩の姿を探しながら、恐る恐るドアを開ける。殺風景な室内には、会議用にコの字型に並べられた長机とパイプ椅子だけ。その端っこに二人は居た。
「いらっしゃい、遅かったのね、ホホっ」
会長さんと机を挟み、向かい合わせになってお弁当を食べ始めていた先輩は、お澄まし顔であたしを迎えた。