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ファニーキンキー
第13章 それは結実
「君は料理するの?」
二人の様子を眺めていたあたしに再び気遣いをみせる。つまらなそうな態度をした覚えは無いのに。
「ほとんどしないですね」
「僕もだよ。お弁当を作ってあげるような相手はいないのかな?」
公平に話しかけてくれるのはいいんだけど、あたしのプライベートな話題は今は要らなくない?
しかも話す時に体ごとこっちに向けるから、先輩が疎外されちゃう。
「彼氏はいますよ。お弁当も作ったことあります」
「ねぇねぇ!良かったらおかず食べる?」
ほらね。お弁当箱を差し出して、必死に注意を引こうとしてるでしょ?
「ありがとう。だけど今日はいいよ」
会長さんは春風のごとく爽やかに、ふわりと一瞥して断った。
「そ、そう…」
先輩との距離が近かったら、邪魔だと言わんばかりに肘でグリグリやられるところだけど、今日は座った位置が安全圏だった。
だけどね…行くあての無くなったお弁当箱を抱え、しゅんとする姿はちょっと可哀そう。
「うらやましいなぁ。仲良しなんだね」
品の良い笑顔をあたしに向けて、あたしとの会話を続けてくる。
「そうなのっ、すんごいラブラブでっ、私も見せつけられちゃって…」
それでも、へこたれることなく負けじと会話の中に混ざろうとする。いよっ!ラブファイター!