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ファニーキンキー
第13章 それは結実


会長さんは、そんな先輩に笑顔を返すだけ、体はあたしに向いたままだ。
ふーん。なるほどね、会長さんて意地悪なんだね。

「僕も君に相談しようかな?今度、時間作ってくれないかな」

ガッターンッ、ドッ!!
派手にパイプ椅子の倒れる音がした。

騒々しい音にびっくりしたが、分かってる…先輩だ。
あたしは無言で様子を伺う。

先輩は美しく整った小さな顔を、タコの様に真っ赤にし、般若になりかけの今にも泣き出しそうな酷い顔で会長さんを見ている。長机の上に置かれた握り拳をフルフルと震わせ…

「わたっ…私のことが好きなんじゃないの?!」

アハっ。勝負ありましたね。

「会長さんの方がお似合いですよ」

二人にそれだけ言って、生徒会室を後にした。もう、あたしの出番は無い。
この後、甘~い言葉で溶かされるんじゃないかな。

あたしがジャッジするって話も言葉巧みにそそのかされてしゃべっちゃったんだろうね。“後輩も一緒に”なんて言われて警戒したんだろう…会長さんは切れ者だ。

先輩の従順な部分を見抜いてたから好意を寄せていた…きっとそうだ。甘く苛めてくれる会長さんはお似合いですよ。

それにしても、あたしを当て馬にするなんて!ムカつくっ。

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