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ファニーキンキー
第13章 それは結実


最大の我慢は、いつでもどこでもすぐに受け入れてあげられないこと。いい雰囲気になっても、滑稽な姿を晒してあたしを笑わせてくれないと、次に進めない。

男で若い体なら、我慢するのも大変だろうね。女だから、どのくらい大変なのか実際の所は分からないけど、理解はしてるつもり。

「翔太郎…なんか話あるんだよね?」

「ああ、うん。寧奈もあるんだろ?寧奈から先、いいよ」

「昼休みにさ、別れるって言われたでしょ?」

「だっ、あれはっ、忘れて!忘れて寧奈ちゃん…ほんとごめん」

「分かってる。別れるのは無しね。あたしだって、やだもん。そうじゃなくてね…」

「うん」

困ったような顔をして、あたしの手を強く握ってくる。

「あーやって言えば、あたしが翔太郎を選ぶと思ったんでしょ?それであたしの愛を量ろうとしたんだよね?」

「………………」

「翔太郎、好きだよ。大好きだよ」

自分の心がきちんと伝わりますように…そんな思いで真剣に言葉を伝えた。

「俺もだよ」

目を細め、優しい笑顔で返してくれる。翔太郎の眼差しから愛を感じとれるよ。見つめ合うと心が満たされていく。

けど……これだけじゃ足りないんだよね?

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