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ファニーキンキー
第3章 それは悪戯


「いっぱい濡れてるね…」

滴っている透明の液を指でヌルヌルと塗り広げ、再び口に咥えしごき始めた。強く吸うと翔太郎はググっと応えて、あたしの口内を圧迫する。
その時、チャイムが鳴り始めた…


パッと手と口を離し、放りだす。

「あっ!授業始まっちゃった!」

翔太郎を見上げた。

「さぼる。続けて、もうイきそう…」

苦しげに即答した。

そりゃそうだよね。

「ダメ…次の授業をさぼったら……」

さぼったって何も問題ないんだけど…

「寧奈っ!」

我慢の限界な翔太郎が、荒げた口調で威圧する。

「どーしよう。遅刻だ…」

焦るふりのあたし。

「寧奈…さぼるよ?」

今度は諭すような言い方に変わった翔太郎の言葉を、聞こえないふりで、

「どーしよう…翔太郎…」

あたしは、瞳をうるうるさせた表情とか懇願する顔なんて見る側であって、する側じゃない。

ここは、敢えて、あ・え・て!情けない表情をつくった。

さぁ、どう来る?翔太郎。

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