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ファニーキンキー
第3章 それは悪戯


授業が終わり帰り支度をしようとカバンに手をかけると、

「こいっ!」

翔太郎に勢いよく腕を掴まれ廊下に連れ出された。

「痛いよ、何?」

壁に押しやられ、両脇に手を突かれ逃げられないよう囲われる。

「さっきの…続き…する」

翔太郎が顔を下に向けたまま小さな声でつぶやく。長い前髪が表情を隠す。

「もう落ち着いたんじゃないの?」

「居眠りしてたら……夢精しそうになった。焦った…」

途切れがちに掠れた声がする。

「なんだ?壁ドンか?ワハハっ」

職員室に戻る先生が、からかいながら通り過ぎる。

壁ドン?……腰が引けて前傾姿勢になって、まっすぐ立ってられないんだと思うよ…先生。苦笑いをして見せる。


「寧奈っ、もう限界…」

大きく吐き出したため息が震えていることに気付いたあたしは注文をつける。

「寧奈ちゃんって言うんだよ?」

長い前髪の隙間からのぞく、せつなそうな瞳。

「寧奈…ちゃん、お願いだから」

くぅぅぅぅっ、可愛いっ!

「行こっか?」

ニンマリ笑いながら手を繋いで、昼休みを過ごしたトイレに走った。

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