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ファニーキンキー
第4章 それは弁当
視線をコートに移す。
パスが回されフェイントでディフェンスをかわし、ドリブルでゴール下に切り込む。パシュッ!と、ボールがゴールネットを触る心地よい音が響いた。
「ナイッシュー!!」
「キャーー!」
「かっこいぃー」
今、シュートを決めたのは翔太郎。
へぇ…こんな走り方なんだぁ…
ハハっ、真剣な顔してるよ。
伊井と絡むと楽しそうな表情だね。
前髪邪魔そう…ボール見えてるのかな?
動いてる翔太郎を見るのは初めてだな…
「翔太郎くん、かっこいいねっ!」
応援で熱が入った恵衣子が興奮しながら振りむく。
「……うん、かっこいいね…」
いつの間にか、うちわを扇ぐ手が止まり心ここにあらずで言葉を返す。
イケメンだって騒がれてたけど性癖重視のあたしにとってはそんなものには価値が無かった。
けど、今こうやってコートを走り回り、ボールを巧みに操り、仲間と真剣にプレイしている姿はかっこいい。
あたしはうっかり翔太郎に見惚れていた。