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ファニーキンキー
第4章 それは弁当


「さっき差し入れ貰ってたんじゃないの?」

「ああ、伊井たちがな。俺は寧奈の弁当があるから」

あるからって…こっちは、んなもん用意してないよ。
そーいうことは早く言ってよっ、翔太郎の分なんて考えもしなかったよ。
待てよ…彼女だったら言われなくても用意すべきだったか。男のハートを掴むなら胃袋で掴めって、テレビで料理研究家が助言してたよね。あたし、チンコしか掴んでなかった。

自分の女子力の低さにがっかりして小声になる。

「今日、おにぎりしか持って来なかった…」

「あんじゃん」

そう言うと教室に入り、なにやら恵衣子たちに声を掛けて、机の上に転がっていたおにぎり2個を胸元に握りしめて戻ってきた。

「フフっ」

おにぎりを見つめ、顔を綻ばせている。
ああ、おにぎりぽっちで喜んじゃうんだ…色とりどりの美味しそうな豪華なお弁当じゃなくていいんだ?

「伊井たちと作戦会議しながら食べるから」

ニヤケそうになるあたしにそう言って去って行った。

何、あの持ち方っ!

“フフっ”って笑ってたっ!

ちょー可愛いんですけどー!!

けど……あたしのお昼ご飯、返せっーーー!!!

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