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ファニーキンキー
第5章 それは結局
ベッドに腰かけていた翔太郎は立ち上がると、床に散らばるお菓子を踏まないよう避けながら近づき、
「冬休み、あっちに行きっぱなしだから会えなくなる。ヨッと」
あたしのことを子供のように両脇を掴んで抱き上げて、ベッドまで後ろ歩きで下がり、
「アハっ、まだ夏休み前だよ?」
あたしを膝の上にまたがせて再びベッドに腰かけた。
「寧奈も1度来なよ。教えてあげるから」
翔太郎の胸に頬を埋めて、
「うん。行きたいな」
って願望を口にした。そして、その後に続く言葉は心の中でつぶやく。
今日が乗り切れたらね……
「こないだは先帰っちゃってごめんな、あの日はバイトの時間ギリギリで」
大きな骨ばった手であたしの後頭部の短いクセっ毛を何度も撫でる。
「トイレの時?」
「なんか話、あったんだろ?」
「そう…だね。話す」
顔をあげ翔太郎の長い前髪の奥に覗く瞳を見つめる。話すしかない……───