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ファニーキンキー
第6章 それは先輩
昼ご飯を買い終え、購買から教室に戻る途中、先生に捕まり職員室に呼ばれた。
「皆に戻しておいてくれ」
先生は机に置かれたクラスの人数分のノートの束の上にパンッと手を置く。
「えー、こんな重いの持てません」
「悪いなぁ~ほいほいっほいっ」
無理やり手の上に積まれ、
「頼んだぞー」
職員室を追い出された。
くぅぅ、なんであたしがっ…
重過ぎなんですけどー。
パンとジュースの入った袋を腕にぶら下げ、クラスの人数分のノートを抱えて、もたつきながら教室に入ると、騒がしかった室内が一瞬だけ静まり…
けれど、すぐに騒がしさは戻る。
どーせ、あたしと翔太郎のことでしょ?付き合っても騒がれ、別れても騒がれ…放っておいて欲しいよ。
イラっとしながらノートの束を教壇の机にドスンと置いた。自分と恵衣子と椎ちゃんのノートだけを抜き出してから、
「各自、取ってって下さーい」
クラスじゅうに聞こえるであろう音量でぶっきらぼうに声を上げた。
「あーっ、重かった」
教壇を降りると痺れた手をぶらぶらさせ、席で待つ恵衣子と椎ちゃんに向かっておどけて見せた。