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ファニーキンキー
第6章 それは先輩
カッとなったあたしは顔を背けたまま睨み返す。
「何よ!先輩に向かってその態度?!」
両肩を押されコンクリートの壁にドンッとぶつかった、その拍子に顔もぶつけてしまい、軽く脳が揺れる。
急に足の力が抜けその場に崩れ落ちた。
意識はあったが、じーんとした痛みと冷たい床の心地よさにそのまま寝転がっていた。
「ちょ…大丈夫?」
大丈夫って、あんたがやったんでしょうに…
片目を開け、生存確認の意味で片手をあげてやる。
「自業自得よっ!!」
先輩とやらは、叫んで走り去って行った。
ええーっ?自分で暴力振っといて、その言い草はないでしょ。
ブフっ、騒々しい女…あの美しさは、まがい物か?笑える……
笑えるのは先輩だけじゃない…翔太郎に拒否され、友達にフラれ、先輩に罵倒され、ボロボロな自分が可笑しかった。
上半身を起こし座り込んだまま、頭を傾けて痛みが無いか確かめる。
ふぅ…大丈夫みたい…