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ファニーキンキー
第7章 それは純白
帰り支度をしながら、翔太郎の席をちらっと見ると、姿がなかった。教室内をぐるっと見渡しても居ない。
えーっ?話があるって言ってたのに…なんだよぅ!さっさと話を終わらせたいのに…
昼に椎ちゃんと泣いたおかげで別れ話をされる覚悟も出来た。この恋愛もダメだったんだと諦めもついた。
仕方がない、しばらく待つか…
スカートのポケットから取り出した携帯の画面を見つめた。この便利なツールで「どこにいるの?」と聞けば済むこと。
だけど、あたし達はアドレスの交換はしていない。
そういう話の流れにならなかったし、毎日学校で会えるから必要ないし。
付き合ってるとはいえ、椎ちゃんカップルみたいに携帯で、愛の言葉で愛の確認!なーんてやり取りする関係には、まだなってなかったし…
そう、あたしの恋愛はヘンタイな部分を受け入れてもらえないことには始まらない。案の定、始まる前に終わった。アドレスを削除することもなく…
クラス内の人影もまばらになった頃…
なーんだ、あたしのこと忘れて、先輩と帰ったのかっ!
そう気付いたら、待ってる必要もなかった。