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ファニーキンキー
第2章 それは的中
「これ、お釣り。…椅子、持つよ?」
重い荷物を持ってくれるなんて、紳士的…
「大丈夫だよ、でも帰りは持ってね」
まずは翔太郎がM男かどうか確認したかった。好きになっちゃったなんてとりあえず言ってみたものの、S男だったら、辞退します。
連れてきたところは、テニスコートに隣接されたプール。更衣室とプールサイドの間にシャワースペースがある。
高い塀に遮られたその場所はどこからも死角になっていて、頭上を見上げれば青空が広がるだけ。
「ここ、穴場なんだよね。誰も来ないし……ここへどうぞ」
椅子を降ろして翔太郎を座らせる。
「おまえは、どこに座るんだ?」
翔太郎はたぶん、あたしの名前を知らない。
「おまえじゃなくて、寧奈だよ。」
どこに座るって…ここだけど?
翔太郎の片方の膝の上に腰を降ろしながら、買って来てくれたお昼ご飯の入ったビニール袋の中を漁る。
自然とあたしを支えるための手が腰にまわり引き寄せられる。
今までしゃべったこともない関係で、急に付き合いだして、昼休みを一緒に過ごし、こうして膝の上に座って密着する。
あたしには魂胆があっての行動だけど、翔太郎は表情も変えず、当たり前の様に振舞う。
つまり女慣れしてる証か……