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ファニーキンキー
第8章 それは赤面


「んー、目つき悪いからかな?ジロジロ見られるのが嫌なんだよ。中学ん時からこの長さ」

見られるのは女子限定じゃないんですかっ?

「目つき悪くないじゃん、ながーい前髪の隙間から見える目は睨んでるように見えるけど」

小さな手鏡に向かって目を細めたり見開いたりする翔太郎に、

「目が見えてる方があたしは好きだなぁ。ちゃんと目を見たいから」

微笑みかけた。

「っ……」

何か言いたげにあたしを見る。

「ん?…今度、美容室行って切ってもらいなよ」

「あー。じゃ、今切って。寧奈の理想通りに切ってくれていいよ」

小物が収まっているアイアン製のチェストからハサミを取り出し近寄ってきた。

「えっ?うまく切れるかなぁ…」

ハサミってこれ文具用ですけど…

ゴミ箱を抱え、あたしの前に座り込み、ピン留めを外す。頭を振って前髪を下ろした翔太郎は、

「失敗するなよ?」

ほらもう、睨んだ目つき。髪が邪魔なんでしょ…

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