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ファニーキンキー
第8章 それは赤面


“失敗するなよ”って脅しをかけてきてもさ、いや…あたし素人ですよ?

「目に少しかかるくらいの長さかなぁ…」

独り言をつぶやきながら、前髪を切るラインにハサミを当てる。

これ…まゆげの上でぱっつんにしたら…

よこしまな考えがよぎった。


「ふ…っふぇっ」

「ストップっ!」

ものすごい速さでハサミを握っている手を掴まれた。

「今、ヘンタイな顔してたっ!髪だけはダメっ!外歩けなくなる!」

「ヘンタイな顔って何よっ」

確かにヘンタイ思考になったけどさ…

「今、フヒッて笑ってたしっ……あっ!」


あたしの手からハサミを取りあげ、ゴミ箱と一緒に背後に隠しながら、名前をささやいて、唇を重ねてきた。

うなじに手を這わされ、優しいキスを何度も。

吐息が零れる…

唇が離れ、うっとりしながら目を開けると翔太郎の両目とぴったり目が合った。

キスをしている時にピン留めで前髪を上げていたらしい。

「感じた?」

翔太郎のささやく言葉にコクンとうなずく。


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