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ファニーキンキー
第8章 それは赤面


立ち上がった翔太郎がどこかへ電話をかけ始めた。

「……カット………1時間後……はい……」

ひょっとして美容院に行くの?

「これから美容院に行くぞ?前髪だけだからすぐ切ってくれるってさ。寧奈に変にされる前に切らないとな」

前髪を短くするのは、やっぱり、まずい……目が合う度にドキドキしちゃうかも…

「寧奈が美容師さんに注文しろよ、あー、変な注文つけんなよ?」

「……えっと…」

「さっきからどうした?クスっ、もしかして俺に惚れちゃった?」

冗談めかしながら、顔を覗きこんでくる。

くやしい…。惚れたよっ。好きな人にまた惚れちゃったよっ!

恥ずかしくて、視線を合わすことが出来ない。今すぐここから逃げ出したい程に…

治まりかけていた赤面が再び火を噴き出した。

こ、こっち見んな…目を見んなっ!

息をのんだ翔太郎は、静かに口を開く。

「寧奈?…こっち向いて?…俺の目が見たいんじゃないの?」

そうだね…今まであたしは、翔太郎の瞳を捉えてS心で攻めてきた。もちろんこれからも……

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