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ファニーキンキー
第8章 それは赤面


急に視界が妨げられる。

「ディーンさんっ、時間ないんですよね?さっさと、お願いします」

翔太郎の腕がディーンさんとあたしの間に割り込み、ディーンさんをカット台のある奥のスペースに連れ去った。



あまり広さのない店内は、奥にシャンプー台とカット台が備えられ、積み上げられたガラスブロックで待合スペースと仕切られている。

あたしは、1脚しか置かれていないソファーに身体を沈ませ、思いを巡らせていた。

さっきのディーンさんの仕草、何?
衝撃的っ!

ことごとくあたしの思考を読み当てて、色っぽい視線の奥にあたしを引き込み、最後には余裕の表情をしてあのセリフ!

見事な三段構え!

あれが大人の成せる業なのか?

ディーンさん…師匠と呼ばせて下さい!

“クスっ。あたしね、翔太郎の考えてること、なーんでもわかっちゃう。翔太郎って可愛ーい”

くぅ~、言ってみたいっ。

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