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ファニーキンキー
第8章 それは赤面
「お待たせ。寧奈の理想通り…」
夢見心地な思考を中断し、発せられた言葉の方に視線を向けると、はにかんで笑う爽やかイケメンがいた。
「あ…」
長い前髪に邪魔されていた目がしっかりと姿を覗かせている。
前髪の長さに合わせて軽く襟足も整えられ…サッパリとしたヘアスタイルは清潔感とほんの少し幼さが滲み出て、こうして笑っていると爽やかという言葉がぴったりだった。
あたしは、ドキドキ騒ぐ心臓を鎮めるために片手で目を覆い、大きく息を吐き出した。
翔太郎と目を合わせ……でもやっぱり、はやる気持ちは隠せなかった。
「またまた惚れちゃった…フフっ」
やば過ぎ…翔太郎がイケメンにしか見えない。あたしの方がデレた。
予約のお客さんと入れ違いに慌ただしく店を後にした帰り道…
「ディーンさん、かっこ良いだろ?」
「うんうん、ちょーかっこ良かった!憧れるっ!フフっ」
夢見心地な気分を思い出しながら笑みを零す。
それを見た翔太郎は、顔を強張らせ…
「え?寧奈は、あーいう人がタイプ?」
「うんっ!すごいあたしの理想。いひひー」