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私と貴方の甘い蜜
第5章 2度目の夜。
「かんぱーい!」

里城さんが連れてきてくれたのは個室のある居酒屋で、ちらりと見渡した店内には、たくさんのカップルがいた。

「里城さん、車じゃないんですか?」

「んー?今日は歩き。愛ちゃんと飲むつもりだったから。予約しといたー」

「私が断ったらどうしたんですか?」

「…断られるって考えてなかったなー」

なんか、分かってはいたけど、里城さんってすっごく女慣れしてる。
でも、美味しそうにビールを飲む姿がかわいいからとりあえず考えないようにしよう。

「そのカクテルまずいの?すげー、眉間のシワ。」

うじうじ考えながら飲んでいたら、里城さんが不思議そうにこちらを見ていた。

「全然!私、今日は飲みますよー!」

「お、いいね。じゃあつまみも頼みましょうか」

「はい!」

次はいつ会えるかもわからないし、こうやって飲みに行けるのも最後かもしれない。楽しまないと。

そう思ってからは、里城さんとたわいもない話をしながらくびぐびとお酒を飲んだ。




「……里城さんは、彼女とかいないんですか?」

「いたら愛ちゃんとこうやって会ってないでしょ」

「えー、だっていそうだもん」

「……仕事柄、なかなか普通に働いている子とは休みとか合わないしね。たまに飲み会で知り合った子と仲良くする程度だよ」

「仲良く」というのがどういう意味かは分かる。
私もその内の1人なのだろう。

「俺は、彼女は作らないって決めてるし」

ビールから焼酎に切り替えても顔色ひとつ変わらない里城さんが苦しそうにぽつりと言った。

「里城さん」

「んー?」

「手、触ってもいいですか?」

「……いいよ」

里城さんが、私の前に差し出してくれた左手を、そっと両手で包む。

「綺麗な手。」

「フェチっ子さんに気に入られて光栄です」

「今日はずっと、里城さんの手に触っていたいです。……ダメですか?」

いつもより飲みすぎた。
けど、意識ははっきりしている。
私は、この人を困らせている。

「彼女は作らない」と言った里城さんに「なんでですか?」と聞いたら、今日まで縮めた距離がはなれる気がした。

ならば、私は「仲良く」する女の子でいい。
関係性は、いらない。

「いいよ。俺の家にくる?」

真顔でそう聞いた里城さんに、私は小さく頷いた。

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