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片桐家の女たち
第1章 お父様との秘め事に淫らに濡れて(彩夏の場合)
お父様は、無言で、私を抱きしめて、髪の毛をなでてくださいました。このまま、ずっと、こうしていたい・・そんな想いを断ち切るように、お父様から離れて、靴をはきました。そして最後に、もう一度、背伸びして、お父様ぬ腕を絡めてキスをしてから、玄関を出ました。
もう、午後4時を回っていました。郊外の一軒家、広いお庭にはセミが鳴いています。夏のまぶしい日差し、抜けるような青空、いつもと変わらぬ風景に、一気に現実に引き戻されました。
今日のことは夢。違う。そう違うんです。夢にしてしまうには、生々しすぎます。からだが、苦しいほど、お父様との生々しい快楽の一部始終を記憶しているんです。
交わしたキス、絡み合う舌、からだ中を這う唇の愛撫、クンニ、お父様が入ってくる悦び、お父様の形に動かす歓び、そして繰り返す絶頂、逝くほどの底が見えなくなる欲望、全部が生々しいんです。許されるのなら、今すぐにでも、引き返して、また、ケモノに堕ちてしまいたいくらいです。
暑い日差しの中で、身震いしました。肌が泡立ちました。もう、私は、私ではありません。お父様に導かれたからだは、隆司さんにも、いままでより深く、反応するでしょう。でも、同時に、満たされない想いは、いままで以上に、ずっと大きなものになることでしょう。それは、極上の快楽を得るための捧げものなのかもしれません。
私は、これから、「よき妻」の仮面をかぶります。隆司さんを大切にします。お料理も、ほかの家事も、いままで以上に頑張ります。もちろん、夜の生活も。少しずつ、大胆になって、隆司さんを満足させます。
できます。きっとできます。いえ、できないといけないんです。お父様との秘密を守るために。この悦びをなくさないために。
母は強いって言いますけど、私は、今日生まれおちた快楽の母になります。この悦びを、なにを犠牲にしても守ります。そう思うと、少し楽になりました。
「そうだ、お買い物をしなくちゃ」って、急いで車に乗り込みました。ですから、私は、二階のカーテンが少し開いていたことにも、その奥から朱音ちゃんが、じっと、私を見下ろしていたことにも、まったく、気が付きませんでした。
もう、午後4時を回っていました。郊外の一軒家、広いお庭にはセミが鳴いています。夏のまぶしい日差し、抜けるような青空、いつもと変わらぬ風景に、一気に現実に引き戻されました。
今日のことは夢。違う。そう違うんです。夢にしてしまうには、生々しすぎます。からだが、苦しいほど、お父様との生々しい快楽の一部始終を記憶しているんです。
交わしたキス、絡み合う舌、からだ中を這う唇の愛撫、クンニ、お父様が入ってくる悦び、お父様の形に動かす歓び、そして繰り返す絶頂、逝くほどの底が見えなくなる欲望、全部が生々しいんです。許されるのなら、今すぐにでも、引き返して、また、ケモノに堕ちてしまいたいくらいです。
暑い日差しの中で、身震いしました。肌が泡立ちました。もう、私は、私ではありません。お父様に導かれたからだは、隆司さんにも、いままでより深く、反応するでしょう。でも、同時に、満たされない想いは、いままで以上に、ずっと大きなものになることでしょう。それは、極上の快楽を得るための捧げものなのかもしれません。
私は、これから、「よき妻」の仮面をかぶります。隆司さんを大切にします。お料理も、ほかの家事も、いままで以上に頑張ります。もちろん、夜の生活も。少しずつ、大胆になって、隆司さんを満足させます。
できます。きっとできます。いえ、できないといけないんです。お父様との秘密を守るために。この悦びをなくさないために。
母は強いって言いますけど、私は、今日生まれおちた快楽の母になります。この悦びを、なにを犠牲にしても守ります。そう思うと、少し楽になりました。
「そうだ、お買い物をしなくちゃ」って、急いで車に乗り込みました。ですから、私は、二階のカーテンが少し開いていたことにも、その奥から朱音ちゃんが、じっと、私を見下ろしていたことにも、まったく、気が付きませんでした。