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片桐家の女たち
第2章 義兄を奪う妹の青い性
 朱音ちゃんは、「逝ったんだ」って思ったそうです。同時に、それは、想像以上に生々しい光景だったようです。一瞬、大きく吐き出した私の息が、獣の唸り声のように聞こえたそうです。
 言い訳させて頂けるのなら、私が達したあとも、お父様のものは硬いままだったんです。いままで、上手く逝けていなかったので知りませんでしたけど、彼の射精で得ていた精神的な満足感とは全く違うんです。その硬いものに貫かれたまま、からだがどうしようもなく暴れるんです。初めて、頭の中が真っ白になるって言葉の意味がわかった気がしたんです。
 そして、朱音ちゃんも、そんな私をみているうちに、逝ってしまったんです。それは、今までのオナニーとは、明らかに違う感覚でした。
 きっと、圧倒的なセックスの光景が、朱音ちゃんの頭の中を直接、弄ってしまったんだと思います。「脳逝き」って言うんだそうですよね。そういう感じやすさっていうか、素質があったのかもしれません。
 私が果てた脱衣所で、扉一枚を隔てて、下着に手を入れたまま壁にもたれ掛かって、朱音ちゃんまでが、荒い呼吸を繰り返していたなんて、想像もできませんでした。
 お父様がからだを起して、そのまま、小柄な私を抱え上げて、立ち上がろうとしていることに気づくと、朱音ちゃんは、そっと足音を殺して、二階の自分のお部屋に帰りました。誰もいないと思っていたのに、実際には、間一髪の連続だったんですね。
 でも、朱音ちゃん、それからが大変だったようです。あまりに刺激な光景が連続したせいでしょう、なかなか、朱音ちゃんを解放してくれませんでした。目に焼きついた光景が、頭の中で動き始め、いつの間にか、それが父親以外の男性と朱音ちゃんの姿に変わりました。傍観していたはずの視線は、いつの間にか、私にとって代わって揺れながら、その男性を見下ろしているんです。
 フラッシュバックが起こるたびに、オナニーをしないではいられなくて、それから三度、自分で慰めたそうです。
 私が二階に上ってきたのは、そうやって疲れ果てて寝入ってしまったあとだったんです。
そう言えば「お布団を捲られたのが、上のほうだけでよかった」って、朱音ちゃん、笑っていました。
 あの時は、黒のパンストと下着を、片方の足首に残しただけで、スカートは腰の上までめくれていて、溢れだした愛液でシーツに染みができてしまったくらいだったんです。
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