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片桐家の女たち
第2章 義兄を奪う妹の青い性

隆司さんは、お兄様と朱音ちゃん、どちらとも血の繋がりはありますが、お兄様と朱音ちゃんにはありません。
実は、朱音ちゃんの初恋の相手はお兄様、隆一さんだったんです。隆司さんは、次男特有のマイペースな性格です。それが良い方向に出ると大人びた雰囲気を感じることもあるのですが、身内には、我儘になって表れることも多いようです。それが、勝気な朱音ちゃんとのぶつかり合いの原因になるのです。
対照的に隆一さんは穏やかで、一歩引いた感じの人柄でもあり、年の離れた妹の朱音ちゃんのことを、すごく可愛がっていました。
朱音ちゃんも、思慮深く、それでいて、愛情豊かな隆一さんを慕っていたようで、それが、初恋に繋がったようです。
実際、小学生の頃は、「お兄ちゃんのお嫁さんになる」と公言して、中学生になって、兄妹は結婚できないって知ったあとも、血のつながりはないんだからと、秘かに考えていたようです。
でも、それも、隆一さんと加奈子お姉様との結婚で、叶わぬ夢となってしまいました。少なくとも、周りの家族は、そう考えていたんです。けれども、本人のこころの中は違ったんですね。
私とお父様が、初めて関係を結んでから数日が過ぎた、ある土曜日、朱音ちゃんは、隆一さんご夫婦が暮らすマンションに遊びに行きました。
実は、その前日に、隆一さんから電話がありました。加奈子お姉様が、週末の同窓会のために実家に帰省してしまったこと、急ぎの仕事が入っているのに、食事や洗濯、そして掃除などの家事が大変だということを冗談半分に仰って、だから、明日は、実家で食事をしてもいいかというご用件でした。
たぶん、実際に困っているというわけではなくて、お父様やお母様、そして、朱音ちゃんへのご配慮だと思います。そういう気遣いができる方なんです。
でも、ちょうど、その日は、お母様とお父様にはご予定が入っていました。
「だったら」って朱音ちゃんが。「私がつくりに行ってあげるから、パパたちは、予定通りに、お出かけしてもいいよ。」って言ったんです。お母様は笑って「朱音、大丈夫なの。加奈子さんのお手伝いじゃないんでしょう。ひとりで、全部出来るの。」って、仰っていました。
「もちろん」って答えた朱音ちゃんは、好物のオムライスをつくってあげると言って張り切っていました。実際、バタバタと練習もしていたみたいなんです。
実は、朱音ちゃんの初恋の相手はお兄様、隆一さんだったんです。隆司さんは、次男特有のマイペースな性格です。それが良い方向に出ると大人びた雰囲気を感じることもあるのですが、身内には、我儘になって表れることも多いようです。それが、勝気な朱音ちゃんとのぶつかり合いの原因になるのです。
対照的に隆一さんは穏やかで、一歩引いた感じの人柄でもあり、年の離れた妹の朱音ちゃんのことを、すごく可愛がっていました。
朱音ちゃんも、思慮深く、それでいて、愛情豊かな隆一さんを慕っていたようで、それが、初恋に繋がったようです。
実際、小学生の頃は、「お兄ちゃんのお嫁さんになる」と公言して、中学生になって、兄妹は結婚できないって知ったあとも、血のつながりはないんだからと、秘かに考えていたようです。
でも、それも、隆一さんと加奈子お姉様との結婚で、叶わぬ夢となってしまいました。少なくとも、周りの家族は、そう考えていたんです。けれども、本人のこころの中は違ったんですね。
私とお父様が、初めて関係を結んでから数日が過ぎた、ある土曜日、朱音ちゃんは、隆一さんご夫婦が暮らすマンションに遊びに行きました。
実は、その前日に、隆一さんから電話がありました。加奈子お姉様が、週末の同窓会のために実家に帰省してしまったこと、急ぎの仕事が入っているのに、食事や洗濯、そして掃除などの家事が大変だということを冗談半分に仰って、だから、明日は、実家で食事をしてもいいかというご用件でした。
たぶん、実際に困っているというわけではなくて、お父様やお母様、そして、朱音ちゃんへのご配慮だと思います。そういう気遣いができる方なんです。
でも、ちょうど、その日は、お母様とお父様にはご予定が入っていました。
「だったら」って朱音ちゃんが。「私がつくりに行ってあげるから、パパたちは、予定通りに、お出かけしてもいいよ。」って言ったんです。お母様は笑って「朱音、大丈夫なの。加奈子さんのお手伝いじゃないんでしょう。ひとりで、全部出来るの。」って、仰っていました。
「もちろん」って答えた朱音ちゃんは、好物のオムライスをつくってあげると言って張り切っていました。実際、バタバタと練習もしていたみたいなんです。

