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片桐家の女たち
第2章 義兄を奪う妹の青い性
 朱音ちゃんも、私と同じように鏡に全身を写してみたそうです。もともと、ほっそりとした少年のようだったからだに、今は、豊かな胸のふくらみがアンバランスな魅力を醸し出しています。その先端の乳首の色は、咲き始めた桜のように淡く、乳輪も小さいままです。
 それでも、乳首は硬くなります。シャワーの飛沫がかかるだけで、朱音ちゃんは、まだ知らない隆一さんの愛撫を思い、吐息を漏らしました。
 すっきりと細い腰のくびれから繋がるヒップのラインには、柔らかな女性らしさが表れ始めています。それでいて、首筋や下腹部には贅肉はなくすっきりとしています。
 この頃の、少女の美しさは特別です。さなぎから孵ったばかりの蝶の羽のような透明感があります。
 朱音ちゃんは、そっと、下腹部に指を伸ばしました。敏感な蕾に指先が触れただけで、あの日のオナニーで知った歓びが、生々しく蘇ってきて、思わず声が漏れました。
 朱音ちゃんは苛立ちを覚えました。「オナニーをしたい。したくてたまらない。でも、できない。お兄ちゃんの家だから。だったら、お兄ちゃんに。お兄ちゃんに、早く・・。」、湧き上がってくる、そんな想いと葛藤しながらも、いえ、葛藤しているからこそ、もどかしさをこらえて入念に汗を流しました。
 バスルームから出て、濡れないように、髪の毛に巻いていたタオルを外して、アップにしていた髪を下してみました。それだけで、少し大人びてみえる気がします。
 ポーチから取り出したカラーリップを、少し厚めに塗りました。ヌメヌメとした質感がまるで別人のような大人びた印象です。よし、朱音ちゃんはそう思いました。
 朱音ちゃんは、バスルームに向かうとときとは対照的に、そっと、足音を忍ばせるようにして、居間に戻ってきました。そして、息を殺すように、じっと、隆一さんの背中を見つめました。もちろん、声なんか掛けられません。すごく緊張していたんです。
 何気なく振り返った隆一さんは、まず、そんな朱音ちゃんの、日頃は見せない緊張しきった表情に驚きました。シャワーを浴びたばかりなのに、もともと白い肌からは血の気が引いてしまって、紅い唇が際立っています。そして、けれど、その姿に、もっと驚きました。
 だって、薄手の真っ白なワイシャツを羽織っただけだったんです。しかも、なかなか引かない汗が、からだの線をくっきりと浮かび上がらせていたんですから。
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