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空蝉
第10章 初恋散華


あたしが、好きな あの人は ふたつ離れた 年上で

幼馴染は 名ばかりの 天と地ほども 境遇の

違う家庭に 暮らすので

中学からは 言葉さえ まともに、交わす こともなく

遠く眺めて ときめきを 覚えるだけの 日々でした


あたしは、ママと ふたりきり

たった、二間の アパートで 家事を一手に 引き受けて

同級生と 遊ぶ間も なく、学校の 往復で

いつも、眩しく 友達の 輪の中にいる あの人が

わたしに向ける 笑顔さえ 辛く感じて 逃げました


それでも、あたし しあわせで

いつか、あなたと ふたりきり 笑顔で話す 帰り道

触れあう、指の 熱ささえ 想い浮かべて いたんです

せめて、こころの うちならと

あなたのことを 真っ直ぐに みつめることも できていた

そんな、あたしが いたんです


消せはしません あの夏を

あたしの恋が 死んだ日を

ママの助けに なりたくて 手伝いに来た あの人の

家の土蔵に 連れ込まれ

年の離れた 中年の 男に抱かれ 死んだ日を

それは、あなたに 似て違う 憎い、あなたの父でした


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