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第12章 宴

満たせぬ欲を　閉じ込めた　うつつが、遠く　消え去れば

こころは、夢に　融け堕ちて　いつか、淫らの　花となり

誰とも知らぬ　男らの　卑猥な誘い　待ち焦がれ

妖しき蜜を　滴らす　淫婦にさえも　変わります



いと、柔らかき　花びらが　流れる蜜に　ヌメヌメと

身を捩るごと　蠢いて　飢えた男の　肉欲の

猛りを奥へ　導けば

果てることなき　まぐわいは　絡まり、のびる　蔓草の

ように、天へと　昇ります



男の精に　穢されて　果てたからだは　また、別の

男の腕に　奪われて

飽くこともなき　欲望に　幾度、果てても　許されず

幾度、果てても　満ち足りず

悦びさえも　贄として　捧げて、われを　失くします



われを失くして　ただ、咽び　よろこぶだけの　人形に

堕ちて、男を　楽しませ

躊躇いもなく　このからだ　奪わせ、そして　散らされて

その、めくるめく　悦びに

飽くこともなく　この花は　また狂い、咲き　続けます