この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
僕のマミちゃん
第7章 count 1
赤い?!冷静を装っていたのに顔に出ちゃってたみたい…いつもは無言のやり取りなのに今日に限って話しかけられた。
受け取った貸し出しカードに日付印を押しながら、
「はい、ちょっと風邪気味で…」
咳払いをひとつして適当に話を合わせる。
「大丈夫?もし辛いなら送ろうか?」
「だ、大丈夫です。ご親切にありがとうございます」
吐き慣れない嘘なんか吐いたから、心優しい先輩に心配をかけさせてしまった。軽率…
「返却は2週間後までにお願いします」
本を差し出したあたしの手に、受け取る3年生の手が触れる。
「あっ…」
本がバサリと落ちた。
うっかり手が接触しただけなのに…実は触れたところがジンと痺れてしまったの。
だって、さっきまで悟くんの指に疼かされていたから……
いつなん時、何が起こるか解らない。人生とは不可解なものだ。
いったい何が彼を突き動かしたのか…?
「あの、塚崎さん…好きです。俺と付き合ってくれませんか?」