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僕のマミちゃん
第1章 count 7
「んじゃー帰ろっか。マミちゃん家まで送ってくよ。電車通学だっけ?僕ん家は駅の近くだよ、小中高って徒歩通学だから電車通学に憧れるなー。あっ、痴漢にあったりしてない?マミちゃん、可愛いから狙われたりなんかしてないよね?」
「うん」
「僕ね、本読むと眠くなっちゃうんだよねー。マミちゃんいっつも教室でどんな本読んでるの?子供の頃、寝る前に絵本を読んでもらってたんだけど、すぐ寝ちゃう子だったから一冊読み切ったことがないんだ。うはははっ、ウケるでしょ?」
「うん」
こんな調子で私はさっきから『うん』しか返事してない…焦る。こんな時どんな会話をしたらいいのか分からない。
たくさんおしゃべりしてくれる霧野くんだから救われるけど、気の利いた返事をしないとつまらない奴って呆れられちゃうかも…
「あ、僕ばっかりしゃべっちゃってごめんねー。親にもうるさいって言われるんだ。『お前は口から先に生まれてきたんだろ』って、産んだのは誰だって話だよねー?うちの親はバリバリの共働きで、姉貴が一人いるんだけど、歳が離れてるからもう結婚して他県に住んでるんだ」
ニッコリとした笑顔を私に見せる。
え?私がしゃべる番ってことかな?
「えっと…霧野くんの話は聞いてて楽しいよ?」
こんな返事であってるかな?