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僕のマミちゃん
第7章 count 1
「はぁ、はぁ、ちかちゃんありがと」
悟くんにお礼を言われたギャルは、何も言わず片手をスッと上げただけでそのまま教室の方向に立ち去った。そのさり気ない姿は女の子だけどちょっと格好良い。
「マミちゃん、どーしたの?何があったの?3年に囲まれてるって聞いてびっくりしたよ。何かされた?」
心配されて矢継ぎ早に質問攻め。誰かに聞いて駆けつけてくれたみたい。肩を掴まれ、顔を覗き込まれる。眉を寄せ不安げな表情で見つめてくる悟くんに大丈夫だよと笑って見せた。
「怖かっただろ…マミちゃん泣きそうな顔してる」
学校の廊下なのに、人目もはばからず抱きしめてくれた。泣きそうだったのは怖かったからじゃない……
「何があったか全部話して?」
私も話がしたい…
「うん。じゃあ放課後に」
「今!」
「でも、もうお昼休み終わっちゃう」
無言で私の手を引っ張って、施錠されてない空き教室を探してガタガタとドアをゆすり出す。そんな、授業をさぼる気の悟くんに私は従った。
「図書室なら入れる…」
私は昼休みに先生から預かった鍵をポケットから取り出して見せた。
「今日、先生研究会で出掛けるからって。戸締りするためにさっき渡されたの」