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僕のマミちゃん
第7章 count 1
「僕に話して」
こっそりと忍び込んだ図書室のカウンター内で私たちは膝をつき合わせた。私は何て切り出そうか、言葉を選ぶ。そして口をついて出た言葉は…一番言いたかったこと。
「悟くんと別れたくない…」
肩を落とし、俯いてつぶやいた。
「突然なに言うの…?」
膝の上に置いた手に悟くんの手が重なる。
「……悟くんに本命の恋人がいても…ヒッ、迷惑かもしれないけど、グスッ…そばに居たいの。我儘かもしれないけど、ウック…別れたくないの…」
「マミちゃん落ち着いて。何を言ってるのか、わからないよ。泣かないで…本命の恋人って誰のこと?」
大きな手のひらで、頬を伝う涙を拭ってくれる。そんなに優しくされると涙が止まらなくなる…
「何て言われたのか始めから全部話して?」
私は全てを話した。別れろって言われたこと、本命の恋人の存在を見せられたこと、悟くんと相談して報告すること、ギャルに助けられたところまで。
しゃくり上げ、鼻をすすりながら話す私に「うん、うん」と相槌を打って、シャツの袖でせっせと涙を拭ってくれる。
「嘘を鵜呑みにしちゃったんだね。そんなド真面目なマミちゃんも可愛いよ。けど、突然現れた人たちの言うことを信用して、僕のことを信じてくれてないってのはどーかなー?」