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僕のマミちゃん
第7章 count 1
「う、嘘なの?」
不思議と涙がピタリと止まった。私は嘘を吐かれていたの?どれが…どれが嘘なの?
「嘘を言われたんだよ。マミちゃん以外に恋人なんていないよ。そもそも恋人って一人なんじゃないの?本命の恋人以外に何が居るの?僕が二股かけてるってこと?」
「ぎ、義理の恋人…」
「あっは、義理って、バレンタインのチョコじゃあるまいし」
悟くんに笑顔が戻った。それにつられて私の頬も緩む。
「ごめんなさい…私……自信が持てなくて…昨日言われたばっかりなのに。義理でもいいからそばに居たいの…」
「義理の恋人でもいいなんて、もっと自分を大事にしなきゃ……マミちゃん…」
少し呆れたように名前をつぶやいて、私を膝の上に抱える。腰にまわされた腕の体温が伝わってきて、落ち着く…
さらに距離が縮められ、悟くんは私の首元に顔を埋めた。
「はぁ…僕の方が泣きたい……僕はマミちゃんだけが好きなのに、他の子なんか好きじゃないのに、信用されてなかったなんて…」
「だ、だって…みんなのこと好きって…それに悟くんはモテるから、本命さんがいても不思議じゃない、から…」
「またそんな、勝手に考えんなよ。僕の気持ちはどーなるんだよ。みんなのことは友達として好き、マミちゃんのことは恋人として好き。他にどー言えばいい?」
顔を埋めたまま、ぎゅっと抱きしめたまま、弱気な姿を見せる。これだけはっきりと言ってくれているのに、私の心の中はまだ不安が拭えない。