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僕のマミちゃん
第7章 count 1
授業をさぼった私たちは、休み時間の間に何食わぬ顔で教室に戻り、最後の授業を受けた。
悟くんだけは、さぼったことをはやし立てられ、楽しそうに騒いでいたけれど。
放課後になるといつも通りに図書室に籠る。開いた本に視線を落としながら、悟くんの優しい温もりを思い出してひとり熱くなる。
結局、3年生の呼び出しは因縁をつけられ意地悪されただけらしい。災い転じて福となす『世界で一番好きだよ』って言ってもらえて、ちょっぴり自信が持てた。
「ふふっ」
ひとり思い出しては、嬉しさで笑みを零す。
幸せのあまり、嬉しさで本に顔を埋め、足をバタバタさせたりなんかして…
図書室のドアが開いたのをきっかけに、緩んだ顔を引き締め姿勢を正した。
ひとりでニヤニヤしてるところを見られたらアブナイ人だと思われちゃう。えっと、どこまで読んだっけ…再び羅列する文字に意識を集中させる。
まっすぐにカウンターの前にやって来た訪問者に対して、いつも通りの無表情な顔で見上げる。
「…悟くんっ」
愛しい人の来訪に瞬く間に顔がほころんだ。悟くんは破顔した私の頬をむぎゅっと摘まむ。
「今日は誰も居ないみたいだね」
「うん、まら誰も…」
ほっぺを摘ままれながら答えている途中で、キスをされた。