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僕のマミちゃん
第8章 count love
悟くんのそばに来たのは、完全に無意識で…周りに居るはずのクラスの男子の存在を都合よく眼中から消してしまっていた。
「お前ら、ラブラブじゃねーかっ!」
反対側に座る男子が冷やかしの声を上げる。
「あはっ、うらやましーだろー?」
私を抱えながら、悟くんが楽しそうに笑っている。
「見せつけんなよ~俺泣いちゃうよ?」
「幸せを分けてあげよーか?あはははっ」
頭上で飛び交う賑やかなやり取りを余所に頭の中が真っ白になっていた。そして顔は青ざめ、後悔の念に駆られる。クラスメイトが居る前で、私はなんてことをしちゃったんだろう…
少し離れたところで橋尾さんが腕組をしてこちらの様子を伺いながら待っていてくれる。瞬間的に頬が熱くなる。信号機のような変わりよう…
急いで戻らなくちゃ。
「も、戻るね」
「うん。放課後、校門でね」
髪で顔を隠すように俯き、手足をピンと伸ばし、急ぎ足で橋尾さんの元へ。
「今の可愛くね?」
「いいなー、俺も彼女ほしーぞー!」
背後で騒ぐ男子たちの会話も耳に入らない。