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第8章 count love

「うん」

ホッとした私は脇を緩め、最後のひと口を食べさせた。途端に悟くんの手が、こちょっと動く。

「きゃ、ははっははぅ…もうもうっ…くすぐらないって言ったのにー、やぁっーははっ」

今度のはちょっと長い。アイスのカップを握り潰し、首をすくめながら後ろに倒れ込んだ。

笑い過ぎて息が上がった私は寝転がったまま目を閉じ呼吸を整える。笑い過ぎのせいで目尻を伝った涙も拭う。

「あはっ、ごめんね。うるうるした目も、ぷーって怒ったほっぺも可愛すぎて…もっと見たくて勝手に手が動いちゃった」

わきの下に手を差し込んで、ひょいっと私の体を抱き起す。そして後頭部に手をまわし、おでこをくっつけた。

「怒っちゃた？」

上目遣いで悟くんの目を見る。あまりに近くて視点をどこに定めていいか分からず、すぐに下に逸らした。

「悟くん、くすぐらないって言ったのに…もぉ、悟くんなんて…」

キライって言葉に繋がりそうになって慌てて口をつぐんだ。そんなこと言うつもりは微塵も無かった。

「嫌いになった？」

声のトーンが少し低くなってる。私は頭を横に振る。