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僕のマミちゃん
第8章 count love


胸元で結んでいた手は口元へと移動し、脇をぎゅっと締めて、今度こそ来る!と予測したホラー砲に身構えた。恐怖で無意識に悟くんにピタリとくっついて。

ふわり………画面に釘付けになっていた私の肩に空気の揺れる感覚がした。悟くんが居ない方の肩。誰も居ないはずの方の肩。

反射的にそちらを見やると…

「きゃぁぁぁー!手がっ…手がぁ…ぐっ」

助けを求めて、悟くんにしがみついた。ベッドにもたれかかっている悟くんはこれ以上後ろへと下がれないのに、ぐいぐいと体を押し付けて、得体の知れない『手』から逃れようと必死になった。

「ちょっ…痛っ、痛っ、マミちゃん痛いぃー。どーしたの、手…?僕の手だよ、マミちゃん落ち着いて。どーした?」

何度か私の頭突きを顎に受けて、それでも背中を摩ってくれて心配そうに覗き込む。

「悟くんの…?手?」

「そう。マミちゃんが擦り寄って来るから、片腕をベッドの上にあげといたんだけど?」

肩先から見えたのは、ベッドの上で伸ばした悟くんの手だったのね…はぁぁ、びっくりしちゃったぁ。すっかり安心して悟くんの胸に顔を埋めた。

「びっくりしたよー、いったいどーしたの?」

摩る手を止めずに、埋まる私に話しかける。

「む、息子がね…来るんじゃないかってドキドキしてたから…いきなり手が見えて……おばけかと思ったの」

「息子?おばけ?息子なら今、映ってるよ」

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