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僕のマミちゃん
第8章 count love
背後から覆いかぶさりながら肩口で顔をすりすりしている。
「マミちゃんとくっついてればへーき。体は大丈夫?血は止まった?」
洗面台の鏡に映る姿は、教室で男子とふざけ合ってる時と同じで……それはまるで、いつも見ている華やいだ空間に、私も混ざっているかのよう。
夢のような光景に頬を赤く染め、シーツの濡れた部分を絞った。
「あ、あのね、汚しちゃってごめんなさい。これからコインランドリーに行ってお洗濯してくるから、ちょっとだけ待っててね」
「コインランドリーってどこ?」
「家に帰る途中のクリーニング屋さんの隣にあるの。2時間くらいで戻って来れると思うから」
「ふはっ、これ持って電車乗るの?」
「う、うん」
「すごいなー。こんな突っ走るマミちゃん初めてだね。貸して?」
私の手からシーツを取り上げると、洗面台の隣にある洗濯機に放り込み電源ボタンを押した。すぐに注水が始まる。
「あっ!」
「僕だって洗濯くらいできるよ?って洗剤入れてボタン押すだけだけど」
キャップに注いだ液体洗剤を投入口に入れて、パタンと蓋を閉じた。
ほらね?と両手を広げ小首をかしげて、三日月目の笑顔。アイドル並みのポージング。
「でも、今からじゃ乾かない…よ?」
肩を掴まれ階段へと向きを正される。
「替えのシーツがあるからへーき。それよりマミちゃん…時間がまずい」