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僕のマミちゃん
第9章 SS メリクリ
12月に入ってすぐのテスト期間が明けると私たちは、クリスマスのために、ふたりでクリプレ探しの旅をしていたの。
といっても、私の図書委員の当番があったから、2回だけ。旅というのも、遠くへ出かけるのではなく、いつも通学途中に素通りする駅ビルの雑貨屋さんを巡るという、いわばデート。
私にとっては初めてのデート。あれやこれやと本気でプレゼント選びをしている悟くんを見つめ、寄り添うように付いて回り、幸せな気分に浸っていた。
「マミ!選ぶ気ある?」
ちょっと怒った表情の悟くん。
「ほ?私は悟くんが選んでくれたものなら何でも…」
「違うでしょ、ふたりでお揃いの物探すんでしょ?僕ばっかり楽しんじゃってるみたいで、おもしろくない」
「あはっ、そうだったよね、ちゃんと選ぶから」
「目的を忘れてたんだろ…ちょっと休憩しよっか?」
連れられて入ったカフェは、白を基調にしたウッド調の内装に、天井からはベビー服サイズの小さなTシャツと小さなライトが100個はあるんじゃないかっていうくらい沢山吊り下がっている。
アバンギャルドなそのカフェはクレープ屋さんだった。
「注文しとくから、マミは席取っといて」
口を開け天井を見上げながら空いている席で待っていると、会計を済ませた悟くんがジュースを運んで来てくれた。